【一休様登壇】Shopifyで実現するモール型ECの立ち上げと運用 – 株式会社飛躍 | Shopify Plus Partners

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【一休様登壇】Shopifyで実現するモール型ECの立ち上げと運用
コラム

 

この記事は2024年10月29日にShopify Japan株式会社と共同で開催した「Shopify Partners Roadshow ~Shopifyで実現する飛躍的な成長の戦略~」の中から、「Shopifyで実現するモール型ECの立ち上げと運用」をインタビュー形式で記事化したブログです。

本記事は、当日ご参加いただけなかった方々にも一休の事例をお届けすることを目的としています。
イベント当日は、一休お取り寄せのサイト構築にあたり責任者を務められた尾﨑氏にご登壇いただき、ビジネスの立ち上げからブランディングについてパネルディスカッション形式でお話を伺いました。

モール型ECの構築に興味がある方、デモ画面を見たいという方はページ下部の問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

一休お取り寄せ立ち上げの経緯

――「一休.comお取り寄せ」を始めたきっかけについて教えていただけますか。

一休 尾﨑氏:
きっかけは大きく言えばコロナ禍ですね。私たちが取り組んでいるのは、予約の取れないレストランの弁当や商品をお取り寄せできるというサービスです。コロナ禍をきっかけに多くの店舗が商品販売を始められましたが、当初は収束後の継続販売については不透明でした。しかし、継続的な需要が確認できてきたため、長期的に当社の顧客にご利用いただけるサービスとして展開していこうと考えました。

――サービスの発案は尾﨑様だったのでしょうか。

一休 尾﨑氏:
いえ、社内から案が出て、私が責任者としてアサインされた形です。

一休お取り寄せの検討〜リリースまで

Shopify採用の理由とサービス展開プロセス

――一休様といえばエンジニアリングやデータ分析に強みをお持ちですが、なぜShopifyを選択されたのでしょうか。

一休 尾﨑氏:
最大の理由はスピード感を持って展開できる点です。もちろん自社でフルスクラッチ開発も可能でしたが、それには採用活動や人員配置が必要となり、新規事業としては時間がかかりすぎてしまいます。そこで、Shopifyの既存機能を活用して迅速に展開することを選択しました。

――現在のカスタマイズされた状態まで、どのような過程を経て実現されたのでしょうか。

一休 尾﨑氏:
2023年5月の正式リリース前に、スモールスタートとして試験運用を行いました。初期段階ではUIのみをShopifyで構築し、バックエンド業務は社員が手動で対応していました。約1年間運用したのちに、飛躍様の「Multi Supplier for App」にて現在のシステムを構築いただいています。

――その1年間の試験運用では、具体的に何を検証されていたのでしょうか。

一休 尾﨑氏:
主に顧客の反応を見ていました。当初は2店舗のみでの展開で、例えば2万円の鍋など、一般的には高額な商品に対して会員がどのような反応を示すのかを検証していました。

一休お取り寄せの運用

現在の注力ポイントとCRM戦略

――正式リリースから1年半が経過しましたが、現在最も注力されている施策はどのようなものでしょうか。

一休 尾﨑氏:
CRMと商品の仕入れが2本柱です。特に魅力的な商品のラインナップがなければサービスは成立しませんので、この両輪で展開を進めています。

――CRMについて詳しくお聞かせいただけますでしょうか。

一休 尾﨑氏:
メールマガジンを中心に展開しており、配信プラットフォームは内製で開発しています。ターゲット設定やユーザーの絞り込みなどが可能な仕組みですが、現時点ではお取り寄せ事業はまだ事業規模が小さいため、細かな分析よりも良質な商品の品揃えに注力している状況です。

――サービス間の連携、例えばレストラン利用者をホテルへ誘導するような取り組みはされていますか。

一休 尾﨑氏:
現在模索中ですが、レストランページへ来訪した方に「このレストランの商品をお取り寄せできます」と案内するような取り組みを行っています。短期的なコンバージョンはまだ低いですが、認知向上を図るうえで効果を検証しています。

一休グループが目指しているもの

ブランディングとサービスの質の追求

――一休様の各サービスは高級路線というイメージが強いですが、ブランディングについてはどのようにお考えでしょうか。

一休 尾﨑氏:
社内では特にブランディングを意識しているわけではありません。ただし、出店いただく店舗様から「高級イメージを守るためにこうしてほしい」といったご要望をいただくことが多いですね。
私たちはあくまでお客様が求める商品を集めているだけであり、当社自体のブランド力というよりも、参画している店舗様それぞれのブランド力の集合体として評価されていると捉えています。
ただし、出店いただく店舗様についてはセレクトさせていただいています。ラインナップ全体の信頼性を損なわないよう配慮が必要だからです。

――高級路線だった会社が、市場拡大のために基準を下げることは考えなかったのでしょうか。

一休 尾﨑氏:
ちょうど1部上場後の2011年頃までは施設数拡大に注力していましたが、その後の経営判断で高級特化路線を維持する方針を決めました。データに基づき検討した結果、高級路線を突き詰めたほうが強みを活かせると判断したのです。その結果、この10年ほどは売上を伸ばし続けることができています。

――会社としてのブランディングというよりも、ユーザーファーストを追求した結果が高級路線に繋がっているのですね。

一休 尾﨑氏:
そうですね、元々の高級路線に加えて、現社長のもと「ユーザーファースト」を徹底しています。
例えば、取引先企業から「こういう施策をやりたい」と提案があっても、それがユーザーニーズと合っていないと判断すれば実施しない、ということもあります。最終的にはお客様に選ばれなければ意味がありませんから。

――私たちも売上を伸ばすためにどうするか考えますが、真摯な意見を述べることは重要だと感じます。

一休 尾﨑氏:
そうですね。もちろん出店店舗様との関係は大切ですが、サービスを利用してくださるお客様がいないと成り立ちません。
そのため、ユーザーファーストの姿勢を貫き、質の高いサービスを提供し続けることが私たちの方針です。

まとめ

今回のインタビューを通じて、「一休.comお取り寄せ」ではコロナ禍で生まれたニーズを一過性で終わらせず、長期的なサービスへと昇華させる戦略が印象的でした。
スピード感を重視し、Shopifyを活用してモール型ECを構築することで、最小限の開発リソースで顧客の反応を検証し、成功の手応えを得てから本格的にスケールしていくアプローチは新規事業の好例と言えます。

また、高級路線やブランドイメージよりも、まずは顧客が求める商品をそろえ、ユーザーファーストの姿勢を貫く点が、一休という企業の成長を支える原動力となっているのがよく分かりました。今後も高級路線を守りつつ、多様な顧客ニーズに対応しながらさらなる成長を遂げていくことが期待されます。

モール型ECの構築や具体的なデモ画面をご覧になりたい方は、ぜひ下記フォームよりお問い合わせください。皆様のビジネスの飛躍につながるアイデアを、一休の事例から得ていただければ幸いです。