【マーケティングコラム】”Shopify生データでやる基本の”顧客分析” – 株式会社飛躍 | Shopify Plus Partners

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【マーケティングコラム】”Shopify生データでやる基本の”顧客分析”
コラム

はじめに

 

顧客分析の重要性が上がっています

顧客分析は適切に行えば非常に費用対効果の高い施策です。

顧客分析と言うと、Google Analyticsなどで確認できる「年齢や性別」などの属性を連想されるかと思いますが、今回は更にもう一歩進んで、「顧客x売上」「顧客x商品」など、クロスした分析をすることで、どんな顧客がどんな商品を買う傾向にあるとか、売上の構成が顧客軸で分けたときにどうなっているかなどを分析していきます。

なんとなくネット向きな商品、なんとなく新規が購入する傾向にある商品、というのを数字で把握することで最適なMD、UXのヒントがきっと見つかります。

しかしながら、Shopifyを使った顧客分析の始め方や、どんな準備が必要なのか分からないという方は多いかと思います。

まず、Shopifyで顧客分析を行う場合、専用の分析アプリを導入する方法と、顧客データや注文データなどの生データを加工する方法がありますが、当社では「生データを加工しながら分析」することをおススメします。 

生データを使った分析のメリットとしては以下が挙げられます。

  1. ツールを利用するコストがかからない。
  2. ツールを今後利用する場合にもデータの参照元や計算ロジックを理解した上で活用できる。
  3. 一般的なツールではできない分析結果のカスタマイズがしやすい。
  4. データの深堀りがしやすく、本当に成果を出すための分析が行える。

この記事では、弊社がみなさんにこれだけは絶対に実践してほしい分析方法を3つご紹介します!

分析手法1.  購買回数ごとの顧客分析

 

購買回数分析とは、売上の内訳を1回、2回、3回以上などの顧客の購買回数ごとに可視化する分析で、自社がどのフェーズの顧客育成に課題があるかを可視化するための分析です。

この分析を活用することで、売上のうち、新規ユーザー、ライトユーザー、ヘビーユーザーの各々が全体売上のどれくらいの割合を占めており、課題がどこ、伸びているのがどこなのかを把握することができます。

 まずは、データを準備しましょう。

<データとビジュアルの準備手順>

  1. Shopifyの注文データをエクスポートします。
  2. 顧客(billing name)、購買日時(created date)を昇順に並べます。
  3. ”顧客が同一かつ前列よりも購買日が新しい時に購買回数を加算する”というルールで数式を作成し、累計の購買回数を表記する列を作成します。
  4. 3で作成した累計購買回数の列×当月購買金額で集計します。

※集計は、sumproduct関数などを利用します。最悪購買回数ごとに絞り込んで、sum関数で合計値を出す方法でも一手間はかかりますが算出できます。

  1. 月ごとに「1回のみ購買」と「2回購買」「3回以上購買」の3パターンの売上金額を以下のような表に落とし込みます。

​​   6. 最後に以下のようにグラフ化して、月ごと・購買回数ごとの売上の推移を可視化します。 

<考察>

ここでは、6月から8月に着目してみましょう。この期間の全体の売上金額だけを見ていると、横ばいの推移をしていることしか分かりませんが、顧客の購買回数別で見てみると、下記3点が分かります。 

  1. 購買回数3回以上の顧客による売上は伸びている
  2. 購買回数1回の顧客による売上は下がり続けている
  3. 購買回数2回の顧客による売上も下がり続けている

この場合であれば、1回購買(つまり新規顧客)と2回購買の顧客売上の低下が全体売上の伸び悩み(売上金額の横ばい)に直結しています。つまり初回購入にハードルがあること、1回購入して利用しただけだと商品の価値が伝わりきっていないと考えられます。逆に3回目以上の顧客による売上は伸び続けているため、2回以上購買していると価値が伝わって継続利用されていると解釈することも可能です。

そのため、まずケアするべきは1回目購入の顧客をどれだけ2回目(F2)に引き上げられるか、引き上がっている顧客とそうでない顧客にどのようなユーザー体験の差がありそうかなどについて検討していく必要がありそうですね。

 

分析手法2. アップセリング分析

 

アップセリング分析とは、高単価顧客の増減を可視化する分析です。そもそも、アップセルとは、顧客の単価を向上させる取り組みなどのことです。

ハンバーガー屋さんを例にすると、500円のハンバーガーを買おうとしているお客さんに700円のハンバーガーを薦めて、それを買ってもらうことができれば、「アップセル」と言えます。

アップセル分析を活用することで、顧客が順調に育っている(=高単価顧客になっている)かを検証することが可能になります。更に、「高単価顧客を増加させることに成功したキャンペーン」などを検証できれば効果的なキャンペーンを増産したり、高単価顧客が付きやすい商材が何なのかを把握をすることができます。

特にサブスクを取り入れているビジネスの場合には、絶対にやるべき分析です。

では、データを準備しましょう。

<データとビジュアルの準備>

1. Shopifyの注文データをエクスポートします。

2. 顧客順(billing name)、購買日時(created date)順に並べます。
3. ”顧客が同一かつ前列よりも購買日時が新しい時に購買回数を加算する”というルールで数式を作成し、累計の購買回数を表記する列を作成します。
4. 3の手順で作成した列を使用して、前回の購買回数時に注文した内容を並列して記載する列を作成します。
5. 前回の注文と当月の注文内容の組み合わせを作り、各々に対する顧客数を集計し、以下のような表にまとめます。 

※定期_定期:前回の購買が定期で当月の購買も定期
通常_定期:前回の購買が通常購買で当月の購買は定期(アップセル顧客)
当月新規_定期:当月が初めての購買で且つ定期購買
定期_通常:前回の購買が定期で当月の購買が通常(ダウンセル顧客)
通常_通常:前回の購買が通常で当月の購買も通常
当月新規_通常:当月が初めての購買で且つ通常購買

 

6. 表にまとめたら、以下のようにグラフ化します。 

 

 <考察>

右肩あがりのグラフであるため、伸びてるなーという印象です。また、「定期_定期」、「当月新規_定期」「当月新規_通常」などのコアな指標が伸びているので、一見順調そうに思えます。

しかしながら、これらの層の伸びとは裏腹に「通常_定期」は芳しくありません。通常購入した顧客が定期に移行していないということになります。

定期に移行しない理由は、定期の存在を知らないか、定期のメリットがデメリットを上回っていないことが原因ですので、実際のビジネス現場では通常_定期の注文と通常_通常の注文に対して更に深掘りして購買している商品や顧客属性などを比較して分析を進めます。

仮に様々な施策を打ったとしても、そもそも通常購入するユーザーは定期になりにくいという結論に達するようであれば、新規客の獲得方法を再検討する必要があります。

 

分析手法3.稼働状況分析

 

稼働状況分析とは、過去購買顧客が、現在どれくらい稼働しているかを可視化する分析です。この分析を活用することで、顧客がどのくらい継続的に購買してくれているのかを把握し、「継続的に購買している顧客」、「離反した後に再度購買してくれる顧客」などの特徴を知ることができたり、それに対するアプローチ内容を検討できます。

では、データの準備に入りましょう。 

<データとビジュアルの準備手順>

  1. Shopifyの注文データをエクスポートします。
  2. 顧客順(billing name)、購買日時(created date)順に並べます。
  3. ”顧客が同一かつ前列よりも購買日時が新しい時に購買回数を加算する”というルールで数式を作成し、累計の購買回数を表記する列を作成します。
  4. 3の手順で作成した列を使用して、前回の購買回数時の注文日を並列して記載する列を作成します。
  5. 当月の注文日と前回の注文日の差分(=経過日数)を差し引いた値を記載する列を作成します。
  6. 当月の経過日数ごとの注文数を算出します。
  7. 算出した注文数を以下のような表に落とし込みます。

※60日以内購買既存_当月購買あり:当月から過去60日以内に購買をしており、当月も購買をした
60日以内購買既存_当月購買なし:当月から過去60日以内に購買をしており、当月は購買しなかった
60日以内新規_当月購買あり:当月から過去60日以内に初回購買をしており、当月も購買をした
60日以内新規_当月購買なし:当月から過去60日以内に初回購買をしており、当月は購買しなかった
61日以前購買既存_当月購買あり:当月から61日よりも以前に購買をしており、当月も購買した
61日以前購買既存_当月購買なし:当月から61日よりも以前に購買をしており、当月は購買しなかった


ある店の全ての顧客を、「前回の購買からデータを取った時点までの経過日数ごと」に可視化して1年間推移で見ています。この経過日数の基準は、取り扱い商材の購買頻度によって調整すると良いです。

上記表では、前回購買から日数が61日以上経過すると、リピート購買される率が一気に低くなる商材なので、継続的に購買している顧客=60日以内と定義しています。

 8. この表をもとに、2種類のグラフを作成して約1年間の推移で可視化します。 ここでは、「61日以前購買_当月購買なし」の離反客を非アクティブユーザーとし、それ以外はアクティブユーザーと定義しています。

つまり、ここ2ヶ月間(60日間)に1回でも購買をしている顧客はアクティブであると考えます。そのアクティブユーザーのみをグラフに反映します。

 

<アクティブユーザー>

 <考察>

このグラフは、各月の売上がどんな顧客によって構成されているかが分かるグラフです。傾向としては、継続的に購買している顧客は増えていて、各月の注文のほとんどが稼働率の高い継続顧客によるものであると分かります。(=60日以内既存顧客_当月購買あり)

同時に注目したいのが、注文数が一気に増加した7月は暫く購買していなかったいわゆる離反顧客(=61日以前購買既存_当月購買あり)が急に再購買しているということです。

この時の流入経路、購買商材を分析することで、離反顧客を定期的に呼び戻す施策を考えることができそうですね。

非アクティブユーザー(61日以前購買既存_当月購買なし)については、ほとんどの場合、毎月増加するため、あえてグラフを作成しなくても良いです。ただし、アクティブユーザーの動きとの対比のために使うのであれば、以下のように作成しても良いかもしれません。

 

 <非アクティブユーザー>

 

非アクティブなので、増加すればするほど、良くない傾向ではあると言えますが、基本的にどのビジネスでも非アクティブユーザーが増加していくのが普通なので、気にしすぎないようにしましょう。

この分析では、あくまでもアクティブユーザーである「自社商品をよく利用してくれている顧客」がどんな特徴を持っているのかを見るための分析なので、アクティブユーザーのグラフを見て考察を深めましょう。

まとめ

 

今回は、顧客分析についての分析手法をご紹介しました。単に全体の売上を見るだけでは分からないことも、「顧客」という観点でブレイクダウンして分析してみると、予想外の結論が出たりすることもあります。複数の観点や切り口を持っておくと、施策を考える上でとても役に立ちます。

では、もう一度おさらいしましょう。

購買回数ごとの顧客分析

各月の売上がどんな顧客で構成されているのかを”購買回数”と言う観点で見る分析手法です。1回目の顧客が多いのか、2回目・3回目以上のリピート顧客が多いのかによって打つべき施策は大きく変わります。

アップセル分析

過去(前月)と比べてどのくらいの顧客が”アップセル”をしたのかを見る分析手法です。高単価顧客がどれほど育てられているのかを推移的に可視化して見ます。その時々にやっていた施策やキャンペーンの振り返りをしたり、全く違った視点の施策を考えるのに役立ちます。

稼働状況分析

アクティブ顧客の稼働状況(動き)を見る分析手法です。顧客の過去と当月の購買状況ごとに売上を細かく見ていきます。この分析手法を活用することで、例えば売上が著しく伸びた月の売上を構成している顧客が、長い間稼働していなかった顧客だとしたら、その顧客の流入経路や購買商材を掘り下げて分析し、より詳細な施策を検討することが可能になります。

ご紹介した分析手法は、全てShopifyから得られる生データだけを使っているため、一度やり方を覚えてしまえば、高度な分析を楽に続けることができます。実践しない手はありません。

それでもやっぱり難しそうだから、任せたい!という方は、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。