Shopifyで実践する分析環境の構築と分析方法のベストプラクティス – 株式会社飛躍 | Shopify Plus Partners

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Shopifyで実践する分析環境の構築と分析方法のベストプラクティス
コラム

 

導入

この記事は2024年11月13日(水)に開催された「Shopifyで実践する 分析環境の構築と分析方法のベストプラクティス」セミナーの「飛躍セッション」を記事化したものです。

本記事では、Shopifyを専門に取り扱う弊社「飛躍」がどのようにECサイトの構築・運営を支援し、顧客データの分析やCRMを駆使した施策で売上向上を実現しているかを解説します。2017年の設立以来、飛躍は企業規模を問わず多くのマーチャント様と二人三脚で取り組み、「本気で売上を伸ばしたい」という強い想いを持つクライアントの成功をともに目指してきました。

今回着目していただきたいのは、顧客解像度を高める分析とCRMのターゲット施策です。飛躍は、ECサイトの運用・売上支援において「ただのアドバイザー」ではなく、データ活用を含む幅広いサポートにより、実際に成果を出してきた実績を持ちます。さらに、顧客から頂戴するレビューにも真摯に向き合う姿勢が、クライアントとの信頼関係を築く大きな要因です。

ECサイトの運営で行き詰まりを感じている方、データ分析の手法を模索している方にとって、本記事が具体的なヒントとなれば幸いです。どうぞ最後までご覧ください。

飛躍について

飛躍は2017年に設立以来、Shopifyを専門的に取り扱う会社として、数多くの企業様をサポートしてまいりました。
私たちの事業領域は、ECサイトの構築から売上向上のための継続的なサポートに至るまで幅広く対応しています。
弊社では、規模を問わずさまざまなマーチャント様にご利用いただいております。

「本気で売上を伸ばしたい」という強い想いをお持ちの企業様と共に、全力で取り組む姿勢が私たちの特徴です。
売上支援においては、ただのアドバイザーではなく、クライアント様の成功をともに目指す頼れるパートナーでありたいと考えています。

私たちはお客様からのレビューを大切にしており、これまでに多くの喜びの声をいただいております。
レビューは弊社の取り組みや成果を反映するものですので、ぜひご覧いただき、ご参考にしていただければと思います。

分析の重要性と課題

私たちが考える「分析」とは

私たちが重視する分析のポイントは、大きく2つあります。

1. 顧客の需要と傾向を把握する

まず重要なのは、顧客の需要や行動傾向を詳細に理解し、いわゆる「顧客の解像度」を高めることです。
顧客がどのようなニーズを持ち、どのような行動をとるのかを正確に把握することで、マーケティングやサービス提供の精度を大きく向上させることができます。

2. CRMを活用したターゲット施策の実施

次に、CRM(顧客関係管理)を活用し、既存顧客に対してターゲットに合ったマーケティング施策を展開することです。
お客様が「興味を持つ」「関心を抱く」「欲しいと感じる」タイミングを的確に捉え、最適な方法でアプローチできる仕組みを構築することが重要です。

これら2つのポイントを軸に、私たちはデータを活用した具体的な施策の提案や実行支援を行っています。顧客一人ひとりに合わせた最適なアプローチで、企業様のさらなる成長をサポートいたします。

セミナー開催の背景について

今回のセミナーを開催するに至った背景として、私たちが多くのマーチャント様の運用をサポートする中で、データ分析や活用が十分に行われていないケースが見受けられたことがあります。

実際のデータに基づくと、データ分析・活用に積極的に取り組んでいる割合は約27%に留まっており、多くのマーチャント様がその効果を十分に引き出せていない状況が確認されています。

特に、検索順位が5位圏外や6位といった状況にある場合、売上に直結させるための効果的なアプローチが不足しているケースが多いのではないかと考えています。このような課題を解決し、マーチャント様の売上向上をサポートするための実践的なノウハウをご紹介する場として、このセミナーを企画しました。

 

顧客解像度を高めることの重要性

私たちは、顧客解像度を向上させることが最も重要だと考えています。
顧客解像度とは、「どのお客様に対してどのようなサービスや案内を提供すべきか」を明確に把握するための基盤となる情報です。その実現のためには、データの分析が欠かせません。

ユーザー属性と分析のポイント

顧客解像度を向上させるためには、ユーザー属性を細かく理解することが必要です。主に以下の4つの属性に基づいて分析を行います。

1. デモグラフィック属性

年齢、性別、居住地、職業など、個人の基本的な情報を指します。この情報は、マーケティングのターゲティングを行う際の基盤となります。

2. 行動属性

ユーザーの具体的な行動データに基づく属性です。例えば、
・サイトで閲覧したページ数
・カートに追加した商品
・購入の頻度や回数
・閲覧しているカテゴリーや商品の傾向
これらを分析することで、顧客の興味関心や購買意欲を深く理解できます。

3. 心理的属性

ユーザーの趣味や関心、価値観に基づく属性です。
例えば、高級志向のユーザーと環境配慮型商品を好むユーザーでは、購入パターンが異なります。この違いを把握することで、個々のニーズに合ったアプローチが可能になります。

4. 地理的属性

ユーザーがどの地域からアクセスしているかという情報です。地域によって求められる商品やサービスが異なるため、地理的な視点も重要です。

データを活用したセグメント別アプローチ

これらの属性を基に顧客をグルーピング(セグメント化)し、それぞれのグループに対して最適なアプローチを行うことが、成果を上げるための鍵となります。
私たちは、顧客解像度を高めることで、より効果的で顧客満足度の高いサービスの提供を目指しています。これらの取り組みを通じて、皆様のビジネス成長をサポートしてまいります。

顧客解像度が低い場合に陥りがちな課題と改善のポイント

顧客解像度が低い状態では、マーケティングや顧客対応が表面的になり、成果を十分に引き出せないことがあります。ここでは、よくいただくご相談を基に具体的なケースをご紹介し、改善のヒントをお伝えします。

よくあるケース:データを活用しきれない

顧客解像度が低い状態では、次のような状況が発生しがちです:

  • 会員数が「1,000人いる」という事実だけに留まり、それ以上の深掘りが行われない。
  • 平均リピート率が30%という数字だけを見て、「そんなものだろう」と分析を止めてしまう。
  • 売上が特定の期間に伸びる理由を把握できず、背景要因を見落としてしまう。

このような場合、顧客に対するアプローチが画一的になり、例えば「すべての顧客に一律でクーポンを送る」という施策に偏りがちです。しかし、このような方法では、ストアに忠実な顧客の特別感を損なったり、割引に慣れすぎて割引効果が薄れるといったリスクが生じることがあります。

顧客セグメントに応じたアプローチの必要性

例えば、1,000人の会員の中には以下のような多様な層が存在します:

  • 頻繁に購入するロイヤル顧客
  • 久しぶりに購入した顧客
  • 新規顧客
  • 購入頻度が低い顧客

これらの顧客層に対し、一律の施策ではなく、それぞれに適したアプローチを行うことが重要です。
例えば、ロイヤル顧客には特別感を演出する限定オファーを、新規顧客には購入体験を促進するキャンペーンを提供するなど、顧客ごとのニーズに応じた施策が求められます。

新規顧客獲得 vs. リピート率向上

売上を伸ばすご相談の中で「新規顧客を増やさないと厳しいのでは?」という声をいただくことがあります。新規顧客の獲得は確かに重要ですが、コストが高い点も理解が必要です。一方で、リピート率を向上させる方が早期に売上にインパクトを与える場合が多いのも事実です。

また、既存顧客へのアプローチは、新規顧客の獲得に比べて効率が良く、費用対効果も高い傾向があります。

  • 新規顧客獲得:初期コストが高いが、長期的な成長の基盤となる。
  • リピート率向上:比較的低コストで成果が出やすく、売上への影響が早い。

もちろん、両方が重要ですが、リピート施策を軽視しないことが成功の鍵です。

結論:顧客データを深掘りし、最適な施策を展開することで、顧客満足度と売上の持続的な成長が期待できます。

顧客解像度が高い場合の成功事例

顧客解像度が高い状態では、顧客の行動やニーズを的確に把握し、最適な施策を講じることが可能になります。ここでは、具体的な3つの成功例をご紹介します。

1. ロイヤル顧客への引き上げ施策

顧客解像度が高いと、「あと◯円購入すればロイヤル顧客になる」といった具体的な状況が把握できます。例えば、「50人の顧客があとX円でロイヤル顧客にランクアップする」というデータが得られる場合、次のようなアプローチが可能です:

  • 特典やメリットを明確に伝える:「ロイヤル顧客になると、限定特典やサービスが受けられます」など。
  • ランクアップ促進キャンペーンを展開:「あと◯円の購入でロイヤル会員に!」と具体的に示す。

これにより、リピート率や顧客満足度の向上が期待できます。

2. 顧客との接触頻度の最適化

顧客解像度が高い場合、顧客との適切な接触頻度を見極められます。購入後に全くフォローがないと、お客様がストアを忘れてしまうリスクがありますが、過剰な接触は逆効果になることも。

そこで、購入後のフォローアップメールやアンケート、定期的なニュースレターなどで適度につながり続ける方法が効果的です。

3. ギフト需要に対応した商品ラインナップの見直し

購買データを分析すると、ギフト需要が高い顧客やシーズンでの需要が浮き彫りになります。例えば、食品やお菓子関連では夏前に売上が急増し、ギフト用途が推測されることがあります。

しかし、ギフト向け商品の不足やセット商品が十分でない場合、機会損失につながります。顧客が求めている商品を的確に把握し、ラインナップを最適化することで、売上と顧客満足度の向上を同時に実現できます。

結論:顧客ニーズに応じた適切な施策を展開する

顧客解像度が高い状態を活用することで、顧客が本当に求めている商品やサービスを、適切なタイミングで提供することが可能になります。これにより、売上の向上だけでなく、顧客満足度やロイヤルティの向上にもつながります。

Shopifyでできるおすすめ分析とインサイト

コホート分析の活用について

Shopifyの管理画面には「分析」機能があり、そこにコホート分析が用意されています(名称が変わっている場合もあります)。

例えば、ある月(「月0」)に新しく購入した顧客のうち、翌月以降も継続して買っている割合を把握することで、リピート率向上の余地を測れます。もし「月0」で購入した顧客のうち19%が同月に再購入しているなら、残りの80%をどう再購入へ引き戻すかが課題になります。

この割合を30%に引き上げられれば、売上に大きなインパクトが見込めるため、早期に施策を打つことが重要です。

ギフト需要へのアプローチ

コホート分析の月単位のズレを見ると、年末(クリスマスやお歳暮シーズン)に購入率が上がる傾向が見られるケースがあります。5~6ヶ月後に再度購入している顧客が多い場合、彼らのギフト需要を意識した早めの施策が有効です。

ただし、あまりに期間が空くと顧客がストアを忘れてしまうため、月0や月1の段階でのフォローが大切になります。

デシル分析とLTV分析

デシル分析とは、お客様を収益別に10等分し、上位10%に入る「トップデシール」のお客様を把握して、特別な施策を行う手法です。トップデシール顧客はすでに高い購買意欲があるため、限定サービスやプログラムを提供することでさらなるロイヤル化が期待できます。

また、LTV(ライフタイムバリュー)分析では、リピート率の向上やパーソナライズ強化、クロスセル・アップセル施策によって顧客生涯価値を高めます。定期的に購入傾向が変わる可能性もあるため、継続的にデータをウォッチしていくことが大切です。

このあたりの具体的施策やレポート作成は、弊社でもサポート可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

弊社のサービス紹介


ここからは、実際に弊社が提供するサービスについて簡単にご紹介します。

飛躍ダッシュボードについて

「飛躍ダッシュボード」は、月額5,000円から利用できるサービスです。ShopifyとGA4のデータをもとに、管理や簡易分析ができるほか、デシル分析機能も含まれています。
「この作業が難しい」「社内に担当者がいない」「忙しくて実施できない」というお声に応えるべく、重要な指標を毎週しっかり確認できるように作られています。

レビューやお気に入りなどの項目を計測することで、お客様からのフィードバックをさらに活用しやすくなります。レビューは商品の評価や認知度向上にも有効ですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

三つのサービスについて

弊社では下記3つのプランを用意し、企業ごとのニーズに合わせて柔軟にサポートしています。

1. イネーブルメント

初心者向けサポートで、ツールの基本的な使い方を学びたい方に適しています。

2. スポットコンサルティング

データ分析やレポート作成を行い、「こういった改善が必要ですね」という具体的提案を行います。
改善施策は都度お見積もりを出し、社内担当者がいる場合には、その方々と協力しながら進めることも可能です。

3. グロースハック

基本的にすべてお任せいただく形のプランです。弊社が主体的に施策を提案・実行し、お客様のビジネス拡大を支援します。

まとめ

「飛躍」は、Shopifyを専門としたECサイト構築から売上向上に向けた継続サポートまで、幅広く支援を行う企業です。顧客の需要や行動傾向を捉えた顧客解像度の向上と、CRMを活用したターゲット施策が飛躍の大きな強みといえます。画一的な割引や一律クーポンの乱発から卒業し、データドリブンなアプローチでロイヤル顧客を育成したり、ギフト需要を的確につかんだりできる点が、売上アップや顧客満足度向上に直結します。

本記事で紹介したように、新規顧客獲得とリピート率向上の両面がEC売上向上のカギですが、特に既存顧客への対応を怠らないことが重要です。飛躍自身も、顧客からのレビューを真摯に受け止めることでサービスを磨き上げ、クライアントが成果を得られる体制を築いてきました。

もしデータ分析や顧客解像度の向上に課題を感じている場合は、「飛躍ダッシュボード」をはじめとするサービスの活用も検討してみてはいかがでしょうか。顧客属性を細かく把握することで、本当に必要な施策を最適なタイミングで実行できるようになり、ビジネスの成長を加速させることができるでしょう。飛躍は、今後もECに関わる多様な企業様をサポートし、さらなる飛躍の機会を提供してまいります。