はじめに
今回は、2024年9月に発表されたShopifyの最新アップデートを、Shopify Plus パートナー企業で働く新入社員なりの視点から、読者の皆様がわかりやすいように噛み砕いて解説します!
Shopifyの新機能やアップデート情報は英語で発信されることが多く、「もっと日本語で簡単にまとめてほしい…」と感じたことはありませんか?
私もShopifyを触り始めたばかりで、新しい機能の理解に時間がかかったり、どのように活用できるのか迷った経験をしたそのうちの一人です。
新入社員だからこそ、同じ立場の皆様に寄り添った形で、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。「難しそう」と感じた方も、「なるほど、これなら使えそう!」と思ってもらえるように工夫して解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
※アップデート情報はShopify Changelogから引用しています。
目次
アップデート内容
配送分割機能の導入
この機能は、予約商品と通常商品の両方を取り扱っている方、複数の倉庫をお持ちの方にとって便利な機能になります。
以前は、予約商品と通常商品を同時に購入した場合、「通常商品だけ先に発送して予約商品は後に発送」ということができませんでした。商品を同じタイミングで発送する必要があったのですが、配送分割の機能が追加されたことでアプリや外部ツールを使わずとも、「通常商品は先に発送、予約商品は後に発送」という対応が可能になりました。
そして、複数の倉庫をお持ちの方にも便利になっています。
以前は、異なる倉庫に対しての注文があった場合に、商品を一か所にまとめて配送する必要がありましたが、この機能が追加されたことにより、商品をそれぞれの倉庫から個別に配送することができるようになりました。
「配送スピードの向上」や「商品を一箇所に集めるための余分な輸送コストの削減」などが期待できるかと思います。
こちらの機能の詳細な使い方や課題点については、弊社ブログ「【Shopify機能アップデート】Shopifyの配送分割を使ってみた」でもご紹介しますので、ぜひご覧ください!(今週公開予定)
「税金を徴収しない」という選択が可能に
この機能は、BtoBで取引を行っている方に便利な機能になります。
Shopify Plusかつ、ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア限定になってしまいますが、「税金を徴収しない」という選択ができるようになりました。
今まではすべての注文に対して税金設定が必要で、特定の相手に対し免税の商品を販売したい場合は、商品を複製し、別途売買する必要がありました。
アップデートにより、このような手間が、スイッチ一つで解消できるようになりました。
日本では対応していない機能になりますが、日本でも十分に需要のある機能のため今後のアップデートに期待できます。
店舗受け取り機能の強化
この機能は、複数実店舗を構えている方に便利な機能です。
以前の*店舗受け取り機能では、注文があった複数の商品が一つのロケーションに全ての在庫がないと、店舗受け取りを使用することはできませんでした。
しかしアップデートにより、受け取りたいAロケーションに全ての在庫がなくても、BロケーションからAロケーションに在庫情報を自動で転送することが可能になったことにより、Aロケーションでの受け取りが可能になりました。(Shopify上の在庫データが自動で転送されます。実際の商品は手動でBからAへ配送する必要があるのでご注意ください)
そのため、お客様にとって一番近い場所にあるAロケーションで全ての商品を受け取ることが可能になりました。
さらに、特定の商品だけを転送したくない場合は、その商品を転送除外できる機能もあります。
※店舗受け取り機能とは
オンラインで注文した商品を指定した店舗で直接受け取れるサービス
セマンティック検索が多言語対応に
この機能は、越境ストアで検索バーを使用されている方に活用いただける機能です。
Shopify Search & Discoveryアプリで*セマンティック検索がさらに多くの言語で利用可能になりました。実際に対応されている言語は公表されていませんが、残念ながら日本語にはまだ対応していないことがわかっております。
ですが、世界の主要言語は高確率で利用できるかと思われますので越境ECを運営している方には良いアップデートではないかと思っております。
※セマンティック検索とは
単なるキーワード一致ではなく、検索意図や文脈を理解し、関連性の高い検索結果をユーザーに提供する技術です。
例えば、従来の検索だと「リラックス」「温泉」のようにキーワードをそのまま一致させるのが基本ですが、セマンティック検索は「リラックス」と入力するだけで、リラックスに関連している「温泉」や「マッサージ」なども結果に表示できます。
配送返金機能の改善
この機能は、どなたでも活用できる機能でございます。
配送料に対する返金ができるようになりました。
以前は、配送料の返金をする場合でも「注文全体」から返金額が引かれていました。これでは「配送料に対して返金されている」という点がわかりづらいものでした。
今回のアップデートで、配送料から適切に金額を引くことができるようになり、「配送料を返金」という点がわかりやすくなったことで管理しやすくなりました。
また、複数の配送ラインに対しての返金も可能になっております。
YouTube Shortsが対応
この機能は、*YouTube Shortsを運用している方にとって便利な機能かと思います。
商品ページでのメディアとしてYouTube Shortsのリンクを直接挿入できるようになりました。
以前は、Shorts形式ではなく通常の動画形式の動画リンクを貼るか、またはダウンロードし動画形式のファイルで挿入する必要がありましたが、今回のアップデートでこのような手間が省けるようになりました。
※YouTube Shortsとは
YouTubeで見れる短い動画形式のことです。動画の長さは60秒以内で、TikTokやInstagramのリールのように、スマホで気軽に撮影・編集して投稿できます。
カテゴリメタフィールドがフィルターに対応
この機能は、Shopify Search & Discoveryという商品の絞り込みアプリを使用している方にとって便利な機能かと思います。
Shopifyが用意しているカテゴリを、商品に割り当てられる(かなり細かく)のですが、この分類されたカテゴリを使用して商品の絞り込みが可能になりました。
例)あるA服に「服」というカテゴリを設定すると、ストアでユーザーが「服」と絞ることでA服がヒットします。
さらに、微妙に異なるカテゴリ(パウダーブルー,ネイビーブルーなど)を複数商品に設定したとき、それぞれをフィルターとして表示するのではなく、同系色として一つにまとめたい場合、手動でグループ化(例「青」にパウダーブルー,ネイビーブルーを含める)する必要がありました。
今回のアップデートで、同系統のカテゴリが自動的にグループ化されるようになり、ユーザーは「青」とフィルタリングをするだけでパウダーブルー,ネイビーブルーをヒットさせられます。
さらに、カラースウォッチ(色のイメージ)を表示するには、ある程度のコーディングやアプリによるサポートが必要でしたが、自動的に表示されるようにもなりました。
※カテゴリメタフィールドとカスタムメタフィールドの違い
Shopifyが準備しているカテゴリー群から該当のものを選択し、データフィールドを作成
↑これがカテゴリメタフィールド
「製品番号」「画面サイズ」などのような、商材特有のデータを持たせるために独自作成したデータフィールド
↑これがカスタムメタフィールド
まとめ
Shopifyのアップデートは小規模ながら、高い頻度で行われています。
中には、自分のストアにマッチしたアップデートがひっそりと行われている時もあります。
そのようなアップデートを探し、Shopifyのアップデートを追うことは大変なことではありますが、これからも弊社から毎月のアップデートを皆様にわかりやすくお伝えできればと思っております!
皆様の助けになるようなブログを執筆できていれば幸いです。
当記事でご不明な点などございましたらお問い合わせくださいませ。