仕事は朝型と夜型、どちらの方が効率が良いのか? – 株式会社飛躍 | Premier Partners

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仕事は朝型と夜型、どちらの方が効率が良いのか?

仕事は、朝にした方が効率が良いのでしょうか。それとも、周囲が静かになる夜の方が集中できるのでしょうか。

朝早く起きて仕事をする人は、健康的で自己管理能力が高いように見えます。一方で、クリエイティブな仕事や集中力を必要とする仕事は、誰にも邪魔されない深夜の方がはかどるという人もいます。

私自身は朝型です(だと思っています)。

また、私たちの仕事のメインはクライアントとのコミュニケーション含めて、個人で完結しない類の仕事が多いため、必然的に夜よりも日中の時間の重要度が高くなります。

そして、私は体育会系なので、居残りよりも朝練を評価しがちです。居残りは残業というイメージがあるので、無意識にそうなっているのかもしれません。

この時点でバイアス全開の夜型たたきの記事に見えてきますが、記事を閉じずに最後までお付き合いください。

朝型と夜型、どちらの方が仕事の効率は良いのか

朝型の人は、頭がすっきりしている午前中に重要な仕事を片付けます。

夜型の人は、電話も会議もなく、周囲から話しかけられることもない深夜に集中して仕事を進めます。

どちらが効率的なのかは、本人の体質や生活習慣、仕事内容によって変わります。

実際、人には朝に活動しやすい人と、夜に活動しやすい人がいると考えられており、こうした時間帯の傾向は「クロノタイプ」と呼ばれているそうです。単なる気合いや怠惰だけで、すべてを説明できるものではありません。

個人の働き方として考えるなら、自分が最も集中できる時間帯に仕事をするのが合理的でしょう。

しかし、会社が従業員に給与を支払って働いてもらうとなると、本人の好みだけでは決められません。

企業にとっては、勤務時間帯によって実際に支払う人件費が変わるからです。

経営者にとって、夜型勤務には最初から追加コストがある

日本では、午後10時から翌朝5時までの間に従業員を働かせた場合、その時間について通常の賃金に25%以上を加えた深夜割増賃金を支払う必要があります。

これはアルバイトや時給制の従業員だけの話ではありません。月給制の正社員についても、月給から1時間当たりの賃金を算出し、深夜時間に該当する労働について割増賃金を支払う必要があります。

もちろん、1日の給与全体が一律に25%高くなるわけではありません。割増が発生するのは、午後10時から翌朝5時までに実際に働いた時間です。

それでも、実働8時間のうち6時間が深夜帯なら、通常時給の1.5時間分が毎日上乗せされます。

経営者の立場から見れば、同じ能力を持ち、同じ8時間働き、同じ成果を出す人が二人いるなら、勤務時間が違うだけで人件費が高くなる方を選ぶ理由はありません。

数%のコスト差でも企業利益に大きな影響を与える中で、本人が「夜の方が集中できる」と言っていることだけを理由に、深夜時間帯の割増を積極的に許容する経営者は多くないでしょう。

企業にとって夜型勤務を採用するためには、少なくとも追加コストを上回るだけの経営上の理由が必要です。

夜に集中できるのは、本当に「夜型だから」なのか

ここで、夜型の人に対して少し意地悪な問いを投げかけてみます。

本当に夜だから生産性が高いのでしょうか。

  • 夜になると電話がかかってこなくなります。
  • 会議もありません。
  • Slackやチャットの通知も減ります。
  • 同僚や取引先から話しかけられることもありません。
  • 今日予定されていた仕事を終わらせなければならないという締め切り効果も働きます。

これだけ集中しやすい条件がそろえば、仕事が進むのはある意味当然です。

夜だから本人の能力が上がったのではなく、日中の仕事環境が集中しにくすぎるだけではないでしょうか。

さらに言えば、一部の人には、夜に働くことそのものへの特別感もあるように思います。

  • 誰もいない時間に仕事をしている。
  • 普通の会社員とは違う働き方をしている。
  • 深夜まで重要な仕事に向き合っている。
  • クリエイターや起業家のようで格好いい。

極端に言えば、夜型の人が愛しているのは、夜の生産性ではなく、夜に働いている自分なのではないか。

もちろん、これはすべての夜型の人に当てはまるという話ではありません。

生理的に朝が苦手で、夕方から夜にかけて集中力が上がる人は存在します。

ただし、本人が夜型であることと、企業が深夜割増を負担してその勤務時間に合わせるべきかは、別の問題です。

個人にとって最適な時間と、企業にとって合理的な時間は、必ずしも一致しません。

それでも、夜に仕事を進められる人材には価値がある

ここまで読むと、私が夜型の働き方を全面的に否定しているように見えるかもしれません。

しかし、そうではありません。

正社員に深夜割増を支払って夜に働いてもらう合理性が低いことと、夜に仕事が進むことに価値がないことは、まったく別の話です。

請負型の業務委託であれば、発注者が購入するのは、原則として勤務時間そのものではなく、完成した成果物や業務の遂行です。

受託者が朝に作業するのか、夜に作業するのかは、基本的には受託者側の裁量になります。

日本の夕方に仕事を依頼し、夜型の業務委託が深夜に作業を進める。

あるいは、日本と時差のある海外のチームに依頼し、日本の夜を現地の通常勤務時間として使う。

翌朝、正社員が出社したときには、昨日の夕方に依頼した仕事がすでに終わっている。

この状態には、明確な経営価値があります。

ただし、業務委託という契約名を付ければ、実際には従業員と同じように時間や働き方を指示してよいという話ではありません。発注者が受託者やその従業員に直接指揮命令するなど、契約形式と実態が一致しない場合は、偽装請負や労働者性の問題が生じる可能性があります。

あくまで、成果や役割を明確にしたうえで、自律的に業務を進めてもらうことが前提です。

夜型人材に価値がないのではありません。

夜型人材を正社員の勤務時間として活用するのか、成果を生み出す外部リソースとして活用するのかによって、企業側の合理性が大きく変わるのです。

個人の8時間ではなく、組織の24時間を考える

ここで、朝型と夜型のどちらが優れているかという話から、少し視点を上げてみます。

一般的な会社では、日中に働いていた社員が18時や19時に仕事を終えると、残ったタスクは翌朝まで止まります。

翌朝10時に担当者が出社し、昨日の続きから仕事を始める。

人間は休む必要があるので、これは当然です。

しかし、組織まで同じ時間に休む必要があるのでしょうか。

  • 日中に働く正社員。
  • 夜に働く業務委託。
  • 時差のある海外チーム。
  • そして、24時間利用できるAI。

これらを組み合わせれば、誰か一人を長時間働かせなくても、組織として使える時間を増やせます。

個人は8時間しか働けなくても、異なる時間帯で働く人や仕組みを組み合わせれば、プロジェクトは16時間、あるいは24時間近く進められます。

朝型か夜型かは、個人の最適化です。

一方で、限られた24時間をどのように組織へ配分するかは、経営の問題です。

経営者が最適化すべきなのは、一人の8時間ではなく、組織として使える24時間なのではないでしょうか。

朝起きたら、昨日の仕事が終わっている組織

例えば、日中のディレクターとエンジニアが、夕方までにタスクの内容と仕様を整理します。

夕方に仕事を終える際、夜に稼働するエンジニアへタスクを渡します。

日中の社員が帰宅して寝ている間に、夜のエンジニアが実装を進めます。

翌朝10時。

日中の社員が出社すると、昨日依頼した成果物がすでに出来上がっています。

朝の社員はゼロから作業を始めるのではなく、完成した成果物をレビューするところから1日を始められます。

問題がなければ、そのまま次の工程へ進めます。

多少の修正が必要でも、通常ならその日から始めるはずだった作業が、すでに一度形になっています。

これがうまく機能すれば、納期は大きく短縮できます。

実際、私自身も、海外のメンバーや異なる時間帯で働く外部パートナーを組み合わせ、近い形をある程度実践してきました。

人を深夜まで働かせるのではありません。

人が寝ている時間にも、プロジェクトが進む状態を作るのです。

これは、いわゆる「Follow the Sun」に近い発想です。

太陽の動きや世界の時差に合わせて、仕事を次のチームへ渡し、プロジェクトを止めずに進めていく。

理屈としては、非常に美しい組織設計です。

しかし、夜間に人を配置するだけでは24時間回らない

ここまでで、いい感じに読者の皆さまの期待を裏切り、「朝型と夜型のどちらが効率的か」という話から、「組織として24時間をどう使い切るか」という経営の話に持ってきたわけですが、現実はそこまできれいには進みません。

日本の夕方に海外のチームへタスクを渡せば、こちらが寝ている間に作業が進み、朝には成果物が完成している。

理屈だけを見れば、納期は大幅に短縮できそうです。

しかし、実際にやってみると、朝届いた成果物の品質が期待に達していなかったり、こちらの意図と少しずれていたりすることがあります。

そこで日中の担当者が修正内容を整理して連絡しても、海外や夜型の担当者は、すでに業務を終えて寝ています。

修正作業が始まるのは、また日本の夜になってからです。

さらに、修正内容について質問が届いたとしても、日本の日中担当者がすでに退勤していれば、その回答は翌日になります。

認識のずれが一度で解消されなければ、

  1. 修正依頼
  2. 質問
  3. 回答
  4. 再修正

という一連のやり取りだけで、数日かかることもあります。

結果として、

  • 最初の作業着手は早い。
  • 最初の成果物も早く届く。
  • しかし、完成までには意外と時間がかかる。

ということが起こります。

表面的には24時間のどこかで誰かが働いていても、レビュー、修正、認識合わせのたびに仕事が止まっているのであれば、プロジェクト全体が24時間回っているとは言えません。

アウトプットが早く届くことと、完成までのリードタイムが短くなることは、別の話です。

24時間組織を成立させる三つの条件

では、実際にプロジェクトを24時間回すためには、何が必要なのでしょうか。

現時点では、少なくとも三つの条件があると考えています。

条件1.エンジニアからエンジニアへ仕事を渡せること

ディレクターが夜のエンジニアへ依頼を出し、翌朝ディレクターが成果物を確認する。

この流れだけでは、厳密には24時間組織とは言えません。

流れは、

  1. ディレクター
  2. 夜エンジニア
  3. ディレクター

となっており、ディレクターが確認するたびにプロジェクトが止まるからです。

本当に24時間回すのであれば、

  1. 昼のエンジニア
  2. 夜のエンジニア
  3. 次の時間帯のエンジニア
  4. 昼のエンジニア

というように、エンジニアからエンジニアへ、作業そのものを渡せる必要があります。

完成した成果物を渡すだけではなく、まだ途中の仕事を、次の担当者がそのまま継続できる状態にする。

この設計がなければ、24時間のうち作業時間を増やすことはできても、プロジェクトを連続して動かすことはできません。

条件2.必要な箇所には勤務時間の重なりがあること

例えば、夜のエンジニアが朝5時に仕事を終え、日中の社員が朝10時に出社するとします。

この二人の勤務時間には、重なりがありません。

日中の社員が成果物をレビューして質問をまとめた頃には、夜の担当者は眠っています。

では、夜の担当者に昼12時まで働いてもらえばよいのでしょうか。

8時間勤務で昼12時まで働いてもらうなら、勤務開始は朝3時前後になります。

つまり、単純な昼班と夜班だけではなく、

  • 日中の部隊
  • 深夜から午前中に働く部隊
  • 夕方から深夜に働く部隊

というように、複数の時間帯を管理する必要が出てきます。

すべての勤務時間を長く重ねる必要はありません。

ただし、レビュー、質問、重要な認識合わせが必要な箇所には、一定の重複時間が必要です。

完全な非同期だけで知的労働を24時間回そうとすると、コミュニケーションの往復に一日単位の待ち時間が発生します。

条件3.次の担当者が、確認なしでも一定範囲まで進められること

途中で少しでも疑問が生じるたびにディレクターへ確認しなければならないタスクは、24時間化に向きません。

夜中に質問を投げても、ディレクターが回答するのは翌朝です。

そこで仕事が止まれば、どれだけ多くの時間帯に人員を配置しても意味がありません。

24時間化するためには、

  • 何を作るのか。
  • どこまで完成すれば終了なのか。
  • どの判断はエンジニアに任せるのか。
  • どの判断だけはディレクターに確認するのか。
  • 想定外の問題が起きた場合、どこまで別の方法で進めてよいのか。

こうした基準を、あらかじめ整理しておく必要があります。

つまり、24時間化の鍵は、夜勤を導入することではありません。

仕事を途中から他人が続けられるように、仕事そのものを設計することです。

AIは、引き継ぎを整える役割に置く

人から人へ仕事を渡す際、大きな問題になるのが引き継ぎです。

  • 前の担当者は何を行ったのか。
  • 何が完了しているのか。
  • 何が未完了なのか。
  • どこで迷ったのか。
  • どのような判断をしたのか。
  • テストはどこまで終わっているのか。
  • 次の担当者は、どこから作業を再開すればよいのか。

これらを毎回人間が丁寧に文章へまとめるのは、相応の負担になります。

担当者によって文章量や説明の丁寧さも異なるため、引き継ぎ品質が安定しません。

ここには、AIを活用できる余地があります。

例えば、夜のエンジニアが作業を終了した後、AIがGitHubの差分、タスク管理ツール、チャット、テスト結果などを参照し、

  • 完了した作業。
  • 未完了の作業。
  • 変更した箇所。
  • 判断した内容と理由。
  • テストが通っていない箇所。
  • リスクや不明点。
  • 次の担当者が着手すべき作業。

といった情報を、決まった形式で整理します。

さらに、引き継ぎ資料に書かれている内容と、実際のコードや成果物に矛盾がないかを確認させることもできます。

ここで重要なのは、AIにすべてのレビューや意思決定を任せることではありません。

仕事を続けるのは、あくまで次の時間帯の人間です。

AIの役割は、バトンを持って走ることではありません。

次の走者がすぐ走り出せるように、バトンを整えて渡すことです。

AIによって24時間組織が完成するわけではありません。

しかし、人から人への受け渡しに生じる摩擦を小さくすることで、24時間組織を成立させやすくすることはできます。

朝型か夜型かではなく、仕事をどう受け渡すか

ここまで考えると、最初の問いに対する見方が変わってきます。

仕事は朝型と夜型のどちらが効率的なのか。

個人の働き方としては、自分が最も集中できる時間に働けばよいと思います。

ただし、企業として夜型の正社員に深夜割増を支払い、その人の好みに勤務時間を合わせる合理性は、基本的には高くありません。

一方で、夜に仕事が進むこと自体には、大きな経営価値があります。

業務委託、海外チーム、異なる勤務時間帯のエンジニア、AIを組み合わせれば、一人ひとりの労働時間を増やすことなく、組織として使える時間を増やせます。

ただし、夜に人を配置するだけではいけません。

24時間を設計するための問い

  • どの仕事を日中に行うのか。
  • どの仕事を夜へ渡すのか。
  • 誰から誰へ渡すのか。
  • どこに勤務時間の重なりを作るのか。
  • どの判断を各担当者へ委ねるのか。
  • どの情報をAIに整理させるのか。

これらを設計しなければ、24時間のどこかで誰かが働いていても、プロジェクトはレビューや質問のたびに止まります。

朝型か夜型かは、個人の最適化です。

仕事を24時間どのように流すかは、組織の最適化です。

経営者が考えるべきなのは、社員全員を朝型にすることでも、夜型の人を否定することでもありません。

24時間という、どの企業にも平等に与えられた有限な資源を、どのように組織へ配分するかです。

ちなみに、この記事も深夜にAIと書いている

ここまで、夜型の正社員に割増賃金を支払って働いてもらう合理性は低いという話をしてきました。

しかし、何を隠そう、この記事を書いている私は今まさに深夜に仕事をしています。

そして、この記事を一緒に整理している相手は、深夜割増を必要としないAIです。

私が夜型勤務を企業制度として推奨しているわけではありません。

自分が集中しやすい時間を使い、その時間に稼働できるAIと対話しながら、翌日以降に使える成果物を作っています。

この記事自体が、人間の働く時間と、24時間使えるリソースを組み合わせた、小さな実践例になっています。

ただし、人間の組織を本当に24時間回そうとすると、AIと深夜に記事を書くほど簡単ではありません。

  • 昼班と夜班だけでよいのか。
  • 夜1班、夜2班まで必要なのか。
  • 各部隊の勤務時間を何時間重ねるべきなのか。
  • ディレクターとエンジニアを、どの時間帯に配置するのか。
  • どの仕事ならエンジニアからエンジニアへ引き継げるのか。
  • 修正や認識合わせを翌日へ持ち越さないために、どのような仕組みが必要なのか。

次回は、私自身がこれまで実践してきたことや、うまくいかなかったことも踏まえながら、本当に24時間回る組織の具体的なモデルを考えてみたいと思います。

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