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取引条件 Return&Exchange
コラム
取引条件の3回目、本日のテーマは「Return/Exchange(返品/交換)」です。

通信販売である以上、越境ECといえども返品と交換はつきものです。Amazonにおける返品率は、最も売り上げがあがるホリデーシーズンでは、金額ベースでいけば30%に迫るともいわれています。そこまでではなくても、通常の季節で12%、アパレルであれば15%を超えるのが海外のECにおける返品率といわれています。最近の傾向としては、いかなる理由でも返品/交換を受け付けるサイトが増えていますし、中には、開封し使用したものであっても返品OKというサイトもあります。そういった、返品/交換は当たり前という国の購入者と付き合う以上、返品と交換に関する取引条件は慎重に考えたいものです。越境ECの返品/交換の場合、「通関」「国際輸送」「関税・VATの処理」「再輸入の際の関税や消費税の処理」といった国内ECの返品/交換にはない業務やコストがあります。海外の、返品になれている人たちはそうした業務があることを知ってか知らずか、実に気軽に返品/交換を言ってきますので、こちらもちゃんと準備をしておく必要があります。

 

まずはReturn/Exchange のポリシー例を挙げてみます。


(英文例)

We will exchange the products if damage and trouble caused solely by the company and if the wrong product is being sent in international transactions. However, in case of the same kind of products are out of stock, they will be refunded by the below procedure.

  1. Notify our customer service center of the damage with detailed and reasonable explanation within 30 days after delivery.
  2. Use the enclosed packing slip and return form, when returning damaged products
  3. Return the damaged item to the designated place as it was originally shipped or follow the instruction of our staff at the customer service center.  

Sorry, return policy will not apply to the products shipped overseas, due to customer’s convenience.


(日本語訳)

国際間のお取引において、私どもに起因するダメージ、不具合がある場合、もしくは注文した商品と届いた商品が違うというケースにつきましては、下記のポリシーに従って交換処理をさせていただきます。但し、ご注文された商品と同じ商品がすでに在庫切れとなっている場合については、やむなく返金処理もしくは代替品への交換をご提案させていただくこともございますので、あらかじめご了承ください。

  1. お客様に商品お届け後30日以内に、当社カスタマーサポートセンターにご連絡いただき、お客様のご注文の明細及びダメージ、不具合、商品違いの状況をご説明いただけること
  2. 当社から購入された商品であるということの証拠としての納品書をご用意いただき、弊社指定の返品/交換フォームをご記入いただくこと
  3. ダメージ、不具合、もしくは間違って送られてきた商品を、オリジナルパッケージのまま弊社指定場所までご返送いただくか、もしくは弊社カスタマーサポートセンターの係員からの指示にしたがって処理していただけること

尚、国際間のお取引におきましては、お客様のご都合による返品、もしくは交換につきましては、応じかねますので、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。


いかがでしょうか。ずいぶん優しいポリシーだと思われたのではないでしょうか。


返品と交換に関するポリシーを作成するポイントとは?


返品と交換に関するポリシーを作成するポイントは次の5点を明確にしておくことです。


1. 返品/交換に応じる条件・ケース
上記の例では、サイト側に瑕疵があった場合のみ交換に応じるとあります。また在庫切れで交換に応じられない場合にのみ返品するとあります。お客様の都合 (customer’s convenience)による返品/交換には、応じられないと書かれている点も重要です。わかりやすく言えば、お客様の都合によるキャンセルは受け付けない、という意味です。

2. 返品/交換に応じることのできる期間
上記の例では、お届け後30日以内と書かれています。

3. 返品/交換を申し出る手順
上記の例では、カスタマーサポートセンターにご連絡いただくようにしています。いわゆる返品/交換詐欺にい合わないように、ワンクッション入れるようにしているわけです。

4. 返金のルール(特に返金できる範囲を明示しておく)
上記の例では、在庫切れで交換できない場合のみ返金すると書かれています。購入者があくまで返金を要求する場合もあるかもしれませんが、その場合はカスタマーサポートセンターが個別に対応するようにします。

5. 返送のルール(返送先、返送が必要かどうか)
上記の例では、オリジナルパッケージのまま弊社指定場所までご返送いただくか、もしくは弊社カスタマーサポートセンターの係員からの指示に従うよう書かれています。実際の越境ECの現場では、返送を条件としないこととも多いようですが、そこに付け込んだ詐欺まがいのクレーマーも多いので注意が必要です。交換の場合、必ず現品の到着を待ってから交換品を発送します。交換品を発送したのち、全然違うものが戻ってきたという笑えない話はいくらでもあります。


返品/交換については、ポリシー上でどう書いておくかということと、実際にどう対応するかは臨機応変に対応することが重要です。様々な事情で返品を要求される購入者も多くいらっしゃいます。どんな事情であっても、お客様都合による返品や交換、キャンセルはすべてNOとしてしまっては、身も蓋もありません。ポリシーはあくまでお客様とのトラブルを防ぐための防波堤であって、法律ではありません。サイトに掲示するポリシーはあくまでポリシーです。それぞれの事情によりそい、誠実に対応することも時には重要だということも書き添えておきます。

 

中川泰

越境EC総研合同会社(CBEC Reserach Insutitute LLC)CEO

外部リンク:越境EC総研合同会社(CBEC Reserach Insutitute LLC)