皆さん、こんにちは!
こちらのブログでは毎月、Shopify Changelogに掲載されている最新情報を取り上げ、できるだけ噛み砕いて解説していきます。
Shopifyのアップデートは英語で発信されるケースが多く、「日本語で簡潔に内容を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方々に向けて、今回も最新情報を日本語で分かりやすくお届けしたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!
※アップデート情報はShopify Changelogから引用しています。
目次
アップデート内容
1.「カート追加の上限」設定が登場
Shopifyに、カートに入れられる最大数量を設定できる機能が追加されました。
この機能を使えば、お客様が1回の注文でカートに追加できる商品の最大数を、商品バリエーション単位で制限できます。
買い占めや転売に課題を感じているストア運営者にとって、実用性の高いアップデートです。
カート数量の上限を設定できるように
今回の機能追加により、お客様がカートに追加できる数量に上限を設けることが可能になりました。
設定はShopify管理画面の「設定 > チェックアウト > 詳細設定」から行えます。
この制限は商品そのものではなく、各バリエーション個別に適用されます。
しかし、各バリエーション"ごと"に最大数量を設定はできず、"一つの最大数値"が全ての商品のバリーションに適用されます。
たとえば、赤・青・緑の3色のTシャツを販売していて、「最大30個まで」に設定した場合、お客様は各色ごとに30枚ずつ、合計で最大90枚を1回の注文でカートに入れられることになります。
各商品バリエーションごとに個別の最大数量を設定することはできないため、たとえば「色ごとに上限を変えたい」「特定の商品だけを数量限定で販売したい」といった施策には、別途アプリの導入などが必要になります。
転売防止に有効
この機能は、買い占めや転売行為の防止に有効です。
商品ごとに個別の数量制限はできないため、「この商品は3個まで」といった細かな制御は難しいものの、「そこまでガチガチに制限したくはないけれど、最低限のブレーキはかけておきたい」というストアには非常に相性の良い機能です。
2. Shopify Emailのデザイン機能が強化
Shopify Emailに細かな編集機能が追加され、これまでよりも自由にレイアウトを調整できるようになりました。
具体的に何ができるようになったのか?
今回のアップデートでは、以下のようなポイントが強化されています:
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セクションごとのパディング調整
今までは一律だった余白が、上下左右で個別に調整可能に。見出しだけゆとりを持たせる、ボタン周りを詰める、など細かく調整できます。
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「自動パディング」設定
デバイスやレイアウトに合わせて、自動で余白を最適化。(パディング数値を未記入の場合に自動的に「パディングAuto」になります)
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フッターのリッチテキスト編集
フッターの文言に、太字・リンク・色変更などの装飾が可能に。注意書きやCTAの強調にも良いです。
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新しいソーシャルアイコンの追加
WhatsApp、Weibo、WeChatの3つのアイコンが新たに追加されました。
3. 複数量の注文を様々な拠点から分けて出荷
1つの商品が複数注文された時、その在庫が複数拠点に分散している場合、同一商品の注文数量を複数の拠点から分けて出荷できるようになりました。
例:商品Aの拠点を東京倉庫と大阪倉庫で使っていて、東京に2個、大阪に3個在庫があるとき、5個までの注文を受けられるようになる。
→ 今までなら“どちらか”に5個ないとダメだった。
従来は不可能だった
これまでは、同一SKUの大量注文の場合、1拠点分の在庫しか判定されず、他拠点分が無視されていたため、いずれかの拠点に全ての数量の在庫が無いと「在庫なし」で販売不可となるケースがありました。
今回のアップデートでこの制限が解消されることになります。
4. 注文金額の上限・下限が設定可能に
Checkout Blocksアプリを使って注文金額の最小・最大制限を設定できる機能が登場しました。
例えば、「10,000円以下は購入不可」「1,500,000円以上は購入不可」といった金額ベースの制御が、ノーコードで構築可能になります。
主な仕様(できること)
- Checkout Blocksアプリを使用
- Shopify Plus限定
- 適用範囲を「すべての顧客(通常のtoC)」または「B2B会社のみに限定」することが可能
- ストアのデフォルト通貨で制限を設定 → 顧客には自動で現地通貨換算が適用
B2B取引においては、最低注文金額を設定しているケースが一般的ですが、その管理を手作業に頼るのは現実的ではありません。
今回の機能を活用することで、取引先ごとに異なる最低注文金額をシステム上に反映できるため、人的ミスの防止や運用負荷の軽減が期待できます。
5. 購入データのズレを解消
Shopifyでは、Web Pixels(ウェブサイトに埋め込む計測タグのこと)を使って、購入完了イベントを取得できます。
その中で使われる値の一つに event.data.checkout.subtotalPrice.amount というフィールドがあります。
以前はカート全体割引は考慮されてない
subtotalPrice.amount には商品単体に適用された割引"のみ"を考慮した金額が入っていました。
- 例)商品2点 ¥10,000、商品割引 -¥1,000 → subtotal = ¥9,000
- ただしカート全体割引(例:全体10%OFF)やShopify Scripts による割引は含まれなかった。
今回のアップデート
カート全体割引やスクリプトによる割引も含めた「実際の小計(Subtotal)」が subtotalPrice.amount に反映されるようになりました。
データの精度が向上
従来は商品単体に対する割引のみが反映されていたため、Web Pixels を通じた購入データと実際の売上金額との間に乖離が生じていました。
今回のアップデートにより、カート全体の割引やスクリプトによる値引きも考慮されるようになり、値の精度が向上したため、より正確に分析や広告の効果を計測できるようになりました。
最後に
今月のアップデートはいかがでしたでしょうか?
今後も毎月、実務目線と今後のShopifyに期待を寄せるようなアップデートを厳選してご紹介してまいります。
なお、先日発表されたShopify Editionsの注目機能については、こちらの記事で詳しくご紹介しますので、あわせてぜひご覧ください!
皆さまのストア運営の一助となれば幸いです。
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