「食品だけ消費税が1%になったら、うちのショップはどうなるんやろ?」
先日、あるクライアントとの雑談の中で、そんな話になりました。実際にそういう動きがあるわけではありません。あくまで「もしそうなったら」という仮定の話です。
ただ、この手の「もしも」を一度真面目に考えておくことには、それなりに意味があると思っています。
制度が変わってから慌てて調べるのと、あらかじめ仕組みを理解しておくのとでは、いざというときの動き方がまったく違ってきますよね。
そこで今回は、Shopifyのプロフェッショナルという立場から、「食品の税率だけが1%になった場合」を想定して、実際に何をすればよいのかを整理してみました!
そもそも、Shopifyの税率は商品ごとに異なっていい
Shopifyの税金設定は、管理画面の「設定 → 税金と関税」で管理する。国や地域ごとに税率を登録しておくのが基本の使い方です。
ここで意外と知られてないのが、この税率は「ストア全体で一律」にする必要はないということ。コレクション単位で個別に税率を上書きできます。
実際、食品と食品以外で税率が異なるショップは珍しくありません。そうしたショップの多くは、すでにこの「商品・手動コレクション単位の税金上書き」機能を使って、カテゴリーごとに税率を分けて運用しています。
つまり、Shopifyという仕組みは、最初から「税率がカテゴリーによって異なる」ことを前提に作られているんです。
先に結論を言うと、対応方法は一つではありません。
食品がショップの商品ラインナップの一部なのか、それともメイン商材なのかによって、取るべきアプローチはまったく逆になります。
先に結論|対応は2パターン
- 食品がラインナップの一部 → 食品用のコレクションを作り、そこに対して税率を上書きする。
- 食品がメイン商材 → コレクションではなく、ストアの基本税率そのものを変更する。
以下、それぞれのパターンを順に見ていきます!
パターン1: 食品がラインナップの一部の場合
食品が数ある商品カテゴリーの一つ…という位置づけのショップであれば、やることは意外とシンプル。
手順1: 食品を手動コレクションで束ねる
さっそくですが一つ注意点があります。
税金の上書き設定が使えるのは「手動コレクション」だけで、スマートコレクション(自動コレクション)は対象にならない。
つまり、すでに自動コレクションで「食品」を管理していたとしても、そのまんまでは税率の上書きに使えません。
食品を手動コレクションとしてあらためて作り直して、対象商品をそこに追加しておく必要があります。
手順2: 設定の「税金と関税」を開く
手動コレクションが作成できたら、次は設定から「税金と関税」を開き、日本の税設定の画面に移動します。
ここで以下スクリーンショットのように「日本」が10%になっていることを確認したら、下セクションにある「優先適用を追加」をクリックしてください。
手順3: 優先適用する税率を入力する
表示されたモーダルでコレクションを選択し、税率を1%に変更して「優先適用を追加」をクリック(保存)します。
手順4: プレビューで確認する
あとは実際に1%で計算されているかを確認して完了です!
作業としては、ここまでで終わりです。追加の開発も、専用アプリの導入も必要ありません。標準機能の範囲で完結です。
パターン2: 食品がメイン商材の場合
食材そのものを扱うショップでは、そもそもストアの基本税率を軽減税率に設定していることが多くあります。この場合、パターン1のように食品専用のコレクションを新たに作って税率を上書きする、というアプローチは適しません。
すでに大半の商品が軽減税率の対象になっているからです。
一部のコレクションだけ税率を上書きするより、ストア全体の基本税率そのものを変更したほうが早いし、抜け漏れも起きにくいんは火を見るより明らか。
この場合の対応は、次のようになります。
手順1: 設定 → 税金と関税 → 日本を開く
手順2: 基本税率を1%に変更する
コレクション単位の上書きではなく、ストア全体の基本税率を直接書き換えてください。
手順3: 個別に別の税率が必要な商品があれば、優先税率設定で上書きする
食材以外の商品(グッズや資材など)を一部扱っている場合は、上記のとおり手動コレクションを作成して、その商品にだけ従来通りの税率を設定しておく。基本税率を下げた分、こちらの上書き対象は逆転します。
パターン1とパターン2、どちらに当てはまるかを最初に見極めることが、実際の作業より重要です!
元に戻す場合はどうすればいいのか
税率の変更が期間限定だった場合、いずれ元の税率に戻す作業も発生します。これも、変更したときと同じ場所を触るだけで完了です。
パターン1(コレクション単位で上書きしていた場合)
対象コレクションの税金の上書き設定を開いて、税率を元の数値に入力し直すか、優先適用設定そのものを削除します。優先適用設定を削除すれば、そのコレクションの商品にはストアの基本税率が適用されます。
パターン2(基本税率を変更していた場合)
「設定 → 税金と関税 → 日本」を開き、基本税率を元の数値に戻します。個別に上書きしていた商品があれば、そちらも忘れず見直しておいてください。
どっちのパターンでも、変更前の税率を控えておけば、戻す作業自体は数分で終わります。むしろ気をつけたいのは「戻し忘れ」で、変更時にカレンダーやタスク管理ツールにリマインダーを設定しておくと安心やと思います。
※税の優先適用設定を行うと、複数のコレクションに入っている商品でも、通常の税率ではなく優先税率が適用されます。
※複数の優先適用設定をしても最初に作成した優先適用設定が適用されます。
おわりに|備えておけば、慌てる理由なし
制度がこの先どう変わるかは誰にも分からないところです。
ただ、「もし変わったらどうするか」を先に考えておくんは、誰でもできます。
Shopifyは、商品ごとに税率が異なるという状況をもともと想定して作られています。
自分のショップがパターン1とパターン2のどちらに当たるかさえ把握しておけば、いざというときに慌てて調べ始める必要はありません。
もし実際に設定の見直しが必要になったときは、いつでも気軽にご相談ください!
ーーー
※本記事は「食品の消費税率が1%になった場合」を想定した仮定のシミュレーションであり、実際の税制改正を示すものではありません。
関連コラム:AI時代のECに重要なのは、構造化データかストーリーか?(Shopifyが持つデータの構造を理解し、AI時代の集客に先回りで備える視点を解説)
関連コラム:CRMは短期投資ではない。3年後の売上曲線を変える投資である。(すぐに必要になる前から仕組みを整えておくことの価値を、CRMを題材に語る)



